教育費は長期的にお金が掛かるのでコスパのいい教育を探して実施する必要がある

コラム

人生の3大支出は、
① 住宅購入
② 子どもの教育費
③ 老後資金
です。この3つのなかで最もコントロールが難しいのが、②の子どもの教育費。なぜなら、子どもの特性や環境によって、進路が左右されてしまい、予算が立てにくいからです。拙著『年収1000万円「稼げる子」の育て方』でも詳しく解説していますが、「教育費」こそ、「選択と集中」で、価値ある支出を意識する必要があります。
■教育費は、まず「成果を定義」する

 教育費は、会社でいうところの「研修費」にあたります。「こういうスキルを身に付けてこんな人材に成長してほしい」という会社の求める人材像が、研修内容には反映されています。自分の子どもにかける教育費も、考え方は同じです。「こういう大人になってほしい」という具体的な目的を達成するために、使うおカネが「教育費」なのです。
 会社で「社員をどういう人材にしたいかよくわからないけど、とりあえずいまの世の中は英語が話せなくちゃいけないらしいから、社員に英語を習わせたい」などと稟議を上げても、通るはずがありません。普通は、

 「その会社の仕事に、英語がどう必要なのか」
 「英語が話せる社員が増えることが会社の将来にどういう利益をもたらすのか」
 といった短期・中期・長期視点でのプランを提示し、英語を習わせる必要性を示さなくてはなりません。それなのに、なぜか親は、自分の子どもには「なんとなく習わせる、塾に行かせる」といった、不合理でおかしなことをやってしまいがちです。
 「なんとなく」通わせている習い事や塾は、教育費とは呼べません。親の趣味、いや、親の浪費です。「こういう大人になってほしい」という成果が先にあり、その成果を得るためにおカネを使う。それが正しい教育費の考え方です。

 わが家では「海外旅行」はレジャー費ではなく、教育費の範疇だと考えていました。外国を身近に感じ、さまざまな国の文化を教養として身に付けてほしいという教育的成果を意識して、海外旅行に出掛けていたからです。
 絵本やマンガ、映画代を、娯楽費ではなく教育費と考える家庭もあります。友達を招いてホームパーティを頻繁にする家庭もありました。自営でお店を経営している親御さんでしたので、「人との付き合い方を学ばせる」ことに重きを置いていたのだと思います。通常「交際費」でくくられる費用も、家庭によっては立派な教育費になるのです。

■収入には限りがある
 教育費を考えるときに、絶対に忘れてはならないことがあります。収入には、限りがあるという事実です。収入は家庭によって違いますし、地域や家族形態によって最低限必要な金額も違います。ただし、有限であるということはどの家庭にとっても共通しています。
 子どもが小さいうちは、家計に余裕があるだけに、つい横並び意識もあって、「あそこがやるならうちも」と、塾や習い事を始めてしまいがち。そんなときは、「その塾や習い事の成果は何か」という基本に立ち返るようにしたいところです。成果の定義が先で、行動(支出)はあとです。

〇【成果を定義して、行動する】
〇 就学前に泳げるようにしておきたいから → 水泳の家庭教師をつける → 1カ月でクロールをマスターできた
×【行動してから、成果を後づけする】
× 5歳になってみんな習い事をし始めたからスイミングに通わせる → 週1で人数も多くて水につかってる時間は少なかった。2年通っても泳げるようにならなかったけど、水には慣れたからいいよね
 「成果をあげるための秘訣をひとつだけあげるならば、それは集中である」(ピーター・F・ドラッカー『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社)

 世界最高の経営学者といわれるドラッカーは、会社が成果を出すには、無数にある選択肢のなかからこれぞという事業を選択し、そこに人材や資金を集中的に投入していく大切さを説いています。
 ヒト・モノ・カネには限りがある。だから、確実に成果を出せるよう有効に活用しなければならない、というわけです。子育てにおいても、この考えはピタリと当てはまります。選択と集中の精度を上げるためには、長期的に考えなければいけません。

 ちょっと家計に余裕があるからと安易に習い事を増やしていると、気づいたら肝心の大学の入学金が支払えず、教育ローンを借りることになってしまったといった悲しい事態に陥ってしまうのです。
■「選択」と「集中」の実践
 かつて、わが家では次のように「選択」と「集中」を実践しました。4人も子どもがいたので、何におカネをかけるかについては、しっかりと考え、選び、支出を集中させました。
 まずは家計全体を俯瞰(ふかん)で見るために、支出を洗い出し、

・食費や被服費などの生活費は最低限に抑える
・生命保険は解約
・車を手放す
・基本的に普段の食事で外食はしない
・被服費はゼロ。親戚のお下がりを着る
・おもちゃやゲームは買わない
 と決めました。そして、次の費用に支出を集中させたのです。
「教養と体力を身に付けるため」の費用
水泳の月謝
バイオリンの月謝
年1回の海外旅行費 
年2回の国内旅行費 
「知識労働の世界で人より一歩先を行くための土台づくり」の費用
公文式の月謝 

塾の月謝や講習料
家庭教師代
中学時代の学費
中学・高校・大学の学費
 息子たちの現在はというと、長男と三男が医師、次男はスポーツトレーナーの修業中、四男は公認会計士試験に合格し、監査法人に勤めています。
 こうお話しすると、「医大に2人も行かせたんですか。お金持ちですね」と言う人がいますが、それは違います。
 私は確かに一生懸命働きましたが、長男から四男までが6歳差なので、彼らが中学に上がり始めてから大学に入学していく4~5年間は、本当に家計は火の車でした。入学・在学時期が重なることがたびたびあったり、国公立の医大に行かせるはずが私大に行くことになってしまったり。その都度、選択と集中を繰り返し、教育費を捻出してきたのです。わが家に再び車のある生活が戻ってきたのは、手放してから5年後のことです。

■見栄に左右されるとひどいことになる
 賢い「選択と集中」を妨げるのが、「見栄」の存在です。子育てに見栄が入り込みやすいのは、年齢で区切られた子どもたちが同じスタートラインに立ち、ヨーイドンで一斉に走り始めるからではないでしょうか。「同じ年齢の子どもがいる」という共通点があるだけに、親同士は経済状況のちょっとした差異が気になりますし、うっかりすると過剰あるいは異常なまでに、「ほかの子より優れた子になってほしい」という考えが芽生えてしまいます。

 この「ほかの子(とその親)に負けたくない」「格下だと思われたくない」という競争意識が、見栄の正体です。たとえば、1週間7日のうちすべて習い事で埋め尽くしたのに、すべてうまくいかなかったという家庭はごまんとあります。幼い頃から習わせる英語は、見栄といっていいかもしれません。
 勉強に適性がなく、塾に通わせてもサボっている子、ただいすに座っている子もいます。それなのに、塾に通わせているのは「みんなが行っているから後れを取りたくない」という横並び意識ではないのでしょうか。ただでさえこらえ性がない子に、興味がないことを詰め込んでも無意味です。そのぶん、興味あることに集中させたほうが何倍も意味があります。

 あそこのおうちがピアノを習うなら、うちも……
 あの子が中学受験するなら、うちも……
 勝ち負けにこだわって中途半端におカネをかけても、大した成果は得られません。
 見栄に振り回されず、北極星を見据え、「選択と集中」で子育てをしていくには、住む場所が非常に重要です。
 もし、住む場所を選べる状況にあるのなら、「見栄に左右されず」「価値のある選択を貫ける」場所選びをするべきです。住む場所は、ママ友付き合いのある母親、一緒に遊び学ぶ友達が必要な子どもにとって、人生を左右するほどの大きな意味を持ちます。

 同じ町でも、通りを1本挟むとまったく住民のカラーが違うように、住む場所によって付き合う人はがらりと変わります。
 都内のブランドエリアに住む30代の知人から聞いた話ですが、「ご主人のお勤め先は?  年収は?」が母親同士のコミュニケーションであり、最も価格帯の高いタワーマンションの上層階に住む人がボスママとして君臨するという世界があります。海外旅行は当たり前で、教育においても就学前から複数の習い事をさせ、小学校受験をさせる家も多い。

 年収をあからさまに聞く文化を、下品と思わない感覚の持ち主もいるのです。価値観が合わない場所に住むと「見栄」を助長して、賢い「選択と集中」ができなくなってしまいます。
 自分たちが無理せず、「選択と集中」を実践できる場所はどこか。子育てには、こうした視点も大切なのです。
■教育費のコスパを見直す
 塾や習い事にいったん通わせ始めると、いつのまにかそれが習慣化し、「行くのが当たり前」になってしまうこともあります。

 そもそも教育費は成果を定義してから使うべきものです。集団生活から得るものや友達関係などを「長期的成果」として定義しているなら、行くことに意味があるのでOK。ですが、もしその長期的成果より、「○○できるようにしたい」と明確な「短期的成果」を重視するなら、塾や習い事の成果は、半年に1度くらいチェックするようにしたいところです。
 そうすると、意外な無駄が見えてきます。塾に行ってもまったく成績が上がらず、毎月3万円をドブに捨てているも同然なら、早々に塾に見切りをつけ、家庭教師に切り替えたほうが、確実に成果が上がり、結果的に費用も安く済みます。

 スイミングにしても、年間10万円かけて何年も通っているのにまったく上達しないなら、マンツーマンの先生にお願いすれば、レッスン1回につき1万円かかったとしても、1カ月で泳げるようになるので、トータルでは安く済むのです。
 子育ては初めてのことだらけですから、あとから振り返ると「無駄なおカネを使っていた!」というケースがかなりあります。「子どものために自分が求める成果は何か」「コストパフォーマンスを最短で最大化するにはどうすべきか」を考えるのが迷ったときの答えです。

https://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20170822-00185084-toyo-column

 

教育費の負担は大きいです。無駄はいくらでも膨らみます。習い事に塾と子どもの教育を重視し、それが複数の子どもを育てるとなると長期的な負担が大きいです。

コスパのいい教育を探すのは大変です。教育費というのは不安商法です。

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