2013
02.11
CAPM モデル

株式投資の極意。個人投資家の資金管理の難しさ

投資分析, 長期投資

投資の銘柄選択方法で、PERとかといった古典的、単純な方法で銘柄を選択していた時代は1965年頃には終了したと思っている。

1970年、1980年になると、次第に機関投資家の数が増加してくる。いまでは巨大資本のヘッジファンドが国を左右するくらいの売りや買いを仕掛けてくる時代である。

金融工学がますます発展し、オプション価格などは、ブラック・ショールズ方程式などが台頭してきたが、現在ではこれも古典と言われているほどだ。

この理論を作ったのがノーベル経済学賞で有名なフィッシャー・ブラックである。現代の金融の基礎を作ったような人だ。こういった事が発展し、いまではクオンツなどがトレーディングしている。

β理論とCAPM モデル

過去、自分が個別株に分散するときに参考にしていたのが、このフィッシャーのβとCAPM モデルであった。

個別銘柄でも特に時価総額が大きい日経平均225社の銘柄を分析したときに市場平均よりも大きく動作する銘柄がある。上昇も下落も日経平均よりも大きいものであり、よく景気敏感株と言われるものだ。特にこの様な銘柄を中心に投資を選択したものだ。

 

逆に避けて通ってきたものが、市場平均よりも小さく動くディフェンシブ銘柄というものである。食品、医療、NTT、JR、電力、ガスなどである。いまでは原発事故があり、誰も電力会社が安心した投資先だという人は日本にはいないだろうが、事故が起きる前には債権のような感じで株価の上昇を狙うのではなく、安定した配当金さえ貰えれば良いと、引退した人が投資をしていたものだ。

 

市場が効率的であるならば、βの値が高いものを選択し、ポートフォリオを構成した方が市場平均よりも高いパフォーマンスを得られるのは当然である。そこにCAPM モデルが出てくる。

 

銘柄分散とリスクの関係

CAPM モデル
このCAPM モデルで言えば、個別銘柄の分散は60銘柄に到達すると、急に市場平均と同じ動きをする。そこでβが高い景気敏感株だけで構成した60銘柄と、βが低いディフェンシブ銘柄で60銘柄構成した2グループが存在していた場合、パフォーマンスはどうなるかということとなる

 

CAPM モデルでは、どちらもパフォーマンスは同じく、市場平均に近づくのである。

 

なので市場平均を最初から、アウトパフォームさせたいと思ったならば、βが1.5倍や2倍といった景気敏感株の銘柄で30銘柄以下、もっとリスクを取るならば10銘柄以下にすることで理論的に市場平均をアウトパフォームすることが出来る。

リスクとリターンは比例する

しかし、この方法ではリスクとリターンは比例する。つまり、調子よくリターンが得られれば市場平均を超えることが出来るが失敗すれば、市場平均の下落以上に損失を受けることとなる。

なので市場平均が不況などでかなり下落しているときにβが高く、時価総額上位、PBRが1倍以下、PER10倍以下、負債が少ない銘柄。つまり、格付けの高い銘柄でポートフォリオを組んだりする。特に意識するのは分散する銘柄数が少ないため、倒産のリスクを避けなければいけない。

 

最近の日本株は簡単に大手でも倒産する。

日本航空は倒産しないで国が助けると個人の誰もが思っていた。過去2006年ぐらいまではこの様なとき、逆張り投資でこの銘柄に集中投資していた人は大儲けを出来た。いまでは簡単に倒産させ、株主責任を取らせた後、1年後にあっという間に再生される。

この方法で逆張り投資する人は、もう時代遅れなのである。米国でもGMが同様に倒産し、あっという間に再生し、再度、上場した。

 

この方法では、市場平均よりも株価の上下は激しいが、株式市場が好調になり、力強く上昇すると、市場平均を簡単にアウトパフォームする。

 

だが、この方法でもっとも難しいことはタイミングである。タイミングを誤って買いを入れてしまうと、損失はかなりのペースで拡大する。その損失から、株価が上昇しても損益分岐点まで戻るかが問題になってくるのである。

 

さらに、個別銘柄を複数選択し、ポートフォリオを構成する場合、個人投資家は厳しい局面に遭遇する。資金面である。

仮に投資資金が3000万円あれば良いが、500万円程度であった場合、どこまで個別株の銘柄を分散させることが出来るのかという点である。そして、このβが高い銘柄で少数銘柄を構成することで市場平均よりも高いパフォーマンスが期待できるならば、底値で買う必要があるため、買付タイミングも分散させる必要がある。

この2つの分散で何処まで資金管理が出来るのかが本当の問題となってくる。経験上、1000万円以下では、相当に難しい。不可能といえるのではないだろうか。

個人投資家は個別銘柄に1点集中投資する

個人投資家は、この様にCAPM モデルを無視し、個別銘柄に資金のほとんどを1社だけに集中して投資する人も多い。分散するとしても3社か4社である。それ以上になると資金が足りない。多少の買付タイミングも分散させるとしても1000万円は必要になってくる。

さらに買付タイミングをかなり分散し、リスクを低下させるとなると、資金は2000万円以上は必要になってくる。日経平均が8700円になれば底値だとは言えない。過去7年間で数回、8500円以下にはなっているし、7000円台にも突入したことすらある。つまり、選択肢は、運用手数料の安いインデックスファンドしか個人投資家の勝率を長期的に上げる投資方法はないのである。

数年で見たら、個別銘柄で大儲けや大損失をする人が1000人いれば50人、100人生まれるだろう。だが、自分がこの50人に入れるとは思ってはいけない。これは投資ではなく、投機である。

20年間、これで生き残れるかとなるとかなりの疑問である。個人投資家は大儲けをするよりも生き残りに賭けなければいけない。

 

インデックスファンドなど市場平均に日経平均8700円くらいの時にタイミングを計らず、集中して購入していれば、損をしない確率は過去、非常に高かった。だが、個別銘柄の集中投資でこのタイミングで購入すれば問題なかったと言えることは一切無い。

日経平均8500円以下の時の個別株投資

2009年のリーマンショック後に日経平均は、8000円割れをした。

そのタイミングで、ソニー、パナソニック、シャープ、新日鉄、商船三井、日本郵船、東京電力、関西電力などに分散していた人は、儲かっただろうか?

 

このポートフォリオで銘柄選択した場合、分散し、全体の買付タイミングは大底であったのに2012年末までの損失は80%を遙かに超えている。現物株で投資をしていれば、投資資金のほぼ全てが無くなるくらいで済むが信用取引をしていた場合は、莫大な借金が出来る。

しかし、市場平均で見た場合、買付タイミングは的確であった

 

これが株式投資の怖さである。

 

日本株をPERやPBRなど超古典的な投資方法で銘柄選択する時代は終わったのである。株で儲けたというのならば、それは運かも知れない。

逆に大損したという人も運かも知れないのだ。これからの個人投資家は運でどうこうするのではなく、CAPM モデルなどを知る必要がある。

ただし、これを実践するには資金が絶対的に足りない。ならば、手数料の安いインデックスファンドに不況時に投資するしか勝率を上げる方法はないのである。

投資経験も無く、何となく株式投資をするならば、ドルコスト平均法を行ってはいけない

株価が暴落し、不況不況と騒ぎ、ネットのニュースでは株価ボードを悲しく眺める写真が掲載されるときが4年に1回はある。

このときにインデックスファンドでタイミングを狙わず、資金の半分を5回以上に分散し、1回の買付から、次回は20日は間をおいて投資をする。全額投資投資せず、投資予定の金額の最高でも50%を投資する。いまこそ確実と思っても最高で50%である。

この様にしておいた方が勝率は非常に高くなる。

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