2013
02.06

日本のデフレ原因と長期投資の危険性2

デフレ, 長期投資

日本のデフレは、簡単には解決しない。世界の歴史を見ても金融の歴史はデフレとの戦いではなく、インフレとの戦いであった。戦前までは、いまよりも激しいインフレに悩まされていた。政府は歴史上、デフレ脱却で悩んだことはほとんど無く、インフレ沈静化に常に多くの悩みを抱えていた。

だから、バイ・アンド・ホールド戦略で株式を市場平均と連動するインデックスファンドに広く分散されたポートフォリオを長期間保持することで十分なリターンを得ることが出来たのである。これは日本以外の先進国で、今後も有効な投資方法であると私は確信している。特に金融立国である米国ではこの投資方法が最強である。日本は長期デフレに苦しんでいるため、まったくこの方法が該当しない。

インフレの沈静化

株価ボードインフレの沈静化の方法は、簡単である。不景気を発生させることである。中央銀行は公定歩合をどんどん引き上げることにより、高金利による不況を生み出すことが出来るのである。

空売りの踏み上げは青天井でどこまで破産するか分からないという理論と同じで、不況にならなければ、さらに公定歩合を引き上げれば中央銀行は不況を生み出すことは比較的、容易に出来るのである。

逆に不況やデフレを解決させるためには、この引き上げた公定歩合を引き下げることで低金利にすることで景気刺激策を講じることが出来る。ここまでは簡単なマクロ経済の話になる。

日本経済は、こんな単純な状況にない。既に日銀はゼロ金利を長期続けている。中央銀行の不況回復の手段として、ゼロ金利まで到達してしまうと、出来る手段は一気に減ってしまう。しかし、アベノミクスは、ここから日銀主導でデフレ脱却を謳っているのである。

ヘリコプターベン

米国の中央銀行であるFRBは、サブプライム危機による金融崩壊のリスクにさらされていた中、インフレターゲット2%を設定し、ゼロ金利まで公定歩合をすぐに引き下げた。日本の長期低迷は不良債権処理の遅れ、中央銀行の金利引き締めなど、政策失敗によることが大きかったため、そのことを研究してきた米国は、逆の手段をとった。世界恐慌時代も参考にしている。ケインズ派の理論を取り入れているのである。

とにかく中央銀行は紙幣を市場にばらまいたのである。この量はヘリコプターで紙幣をばらまいていたことと同じくらいの異常な規模であった。この為、この期間のFOMC議長のベン・バーナンキ議長は、ヘリコプター・ベンと言われた。

デフレ下の増税はますます悪化させる

日本株は、消費税の増税には敏感に反応している。過去、消費税を3%に初めて導入したときが1989年で当時の首相は竹下登である。このときは、バブル崩壊と一緒に消費税の増税が消費者心理を低下させ、内需を悪化させたのは明らかである。

 

さらに消費税を5%に増税したときも株価は敏感に反応している。増税を実施したタイミングは、1997年である。当時の首相は橋下龍太郎である。このときも日本株は大きく低迷しているが、同時にアジア通貨危機が1997年7月から発生しているので、これの影響が大きいだろうが、過去2回の消費税増税は、国内の消費を冷え込ませていることは事実である。

 

今後、2014年4月に消費税は8%に増税される。さらに翌年の2015年10月には10%に増税されるのである。この2段階で消費税が大幅に増税されるタイミングは日本株の鬼門になることは間違いないだろう。

 

ただ、それと同時に世界経済のなんらかのアセットクラスに予想されない悪影響が出ることの方が確率は高い。まさにブラックスワン理論である。これは相場を押し下げるには強いインパクトを持つ。これと同時に日本株は再び、デフレ路線に戻る可能性はある。つまり、日経平均株価が8000円割れするタイミングがアベノミクスで勢いのある日本株の将来に訪れる可能性の高さを物語っている。

日本株は、賃金上昇とデフレ脱却が完全に連動している。長期的に日本株が上昇するには国民の平均賃金の上昇がなければ解決することは決してない。日本は、本来の失業率の高さは欧州並みであると思われるが、これを誤魔化している。

雇用維持の理論が強すぎるため、多くの雇用者の賃金を減らすことで、本来失業する人を拾い上げているのである。この為、平均賃金は下がり、見かけ上の失業率は減るのである。

定年退職後の歳雇用が義務化され、大手企業や公務員は65歳まで希望すれば雇用しなければいけないことが決まっている。だが、そのいままでに負担することのなかった賃金をどこから持ってくるのかとう状況である。それだけ突然、日本企業の利益がかさ上げされるわけではない。つまり、先に述べたように平均賃金の低下がますます進み、雇用維持が進むのである。

したがって、デフレは継続され、さらに進行するだろう。そうなれば日本株の長期投資(バイ・アンド・ホールド)による投資は、確実に失敗する敗者の投資戦略となる。

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