2014
03.24
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「そして、日本の富は略奪される」という本が非常によく書かれており、感心した。これは読んでも良い本である

コラム

いま読んでいる本は、「そして、日本の富は略奪される」という本である。日本人である菊池英博という人が書いている本なのだが、日本人が翻訳ではなく、執筆したのに非常に良く出来ている本である。この点は読んでみて、想定外に嬉しい誤算であった。

 

自分も経済がグローバル化し、自由主義経済が蔓延することで、全てはうまくいくという考えは大きく間違っており、グローバル化は世界の平民以下の層を不幸にする仕組みであると思っていたがこの本を見て確信が持てた。

 

いま日本は法人税の減税、TPP交渉など資本取引の自由化、規制緩和を上げているが、そもそもは小泉政権時代から、この流れは加速したと言われている。その原因が本書で詳しく書かれている。日本の政府は、1994年に米国が毎年、圧力として提出してくる「年次改革要望書」に述べてあることを実現するようにしているだけなのである。

日本でも50兆円規模の政府系ファンドが検討されているが、これは大量に市場に溢れ価値が減少している米国債の買い手にするためのアメリカの戦略の一部なのである。決して、他国の政府系ファンドを意味することではない。すべてはゴミ化する米国債の買い手にするだけなのである。

そして、日本の富は略奪される--アメリカが仕掛けた新自由主義の正体 そして、日本の富は略奪される–アメリカが仕掛けた新自由主義の正体
菊池 英博

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こういった点に問題があるとずっと公言しているのがジョセフ・スティグリッツである。この人は今の資本主義の問題を一般人にわかりやすいように警告を述べている。

 

一方、新資本主義として台頭してきたのが2006年に寿命を全うしているミルトン・フリードマンである。すべてはこいつが現在の悪の資本主義の原因であると著者は述べている。

そもそも米国での自由化資本主義である金持ちはもっと金持ちにすれば貧乏人は、そのおこぼれに預かる事ができ、貧乏人も総合的に豊かになるという理論である。

徹底的に金持ち優遇。法人税も減税し、金持ちの税金は一定以上は上限を付けるべきだと言い、国民には健康保険も必要ないと言っている。持っているお金の範囲で医療を受ければ十分という考えである。フリードマンから言えば弱者救済という考えはない。生活保護の理論なんて崩壊してしまえということである。

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強者は、より強くなり、米国ではこの新資本主義が蔓延した。なぜなら金持ちがこの理論を好んだからである。この為、1%の金持ちが国の富の大半を持ち、99%の貧乏人が出来上がってしまった。これが米国の現実である。

 

この理論を他国でも取り入れたのがイギリスのサッチャー政権である。医療補助も教育費も公共事業も削減し、小さい政府になった。結局のところサッチャー政権時代は、北海油田が発見されたことが大きい。油田が枯渇した今、イギリスは酷い不況が続いている。

この米国の自由主義を導入したイギリスでこれだけ失敗しているのに日本は毎年送られてくる米国の「年次改革要望書」により、法人税の減税など、既に他国で失敗した政策をますます進めている状態なのである。

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日本のデフレ経済も米国有利にするための戦略であり、日本は常に株式市場は、日本人が保有する大量の預貯金を合法的に奪う仕組みになっている。日本株をやるなんて、そもそも馬鹿な行為なのである。

 

まだこの本は読んでいる途中なんだが、内容が非常に濃い。他の本を数冊読むならば、この本を1冊読んでも世界の経済について様々なことを歴史を踏まえて学習することが出来るだろう。

この本は日本人が書いているのに本当に良く出来ていると思った。価格も1890円とリーズナブルでなお良い。

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